兼題「雷」 オンライン「火星句会」 2021/06/15(火) ― 2021年06月20日 13:49
3時間余りの句会の前に、毎回その日の兼題を詠んだ名句解説が約15分紗希先生によって行われますが、その中に、今回興味深いお話があったので紹介します。
「雷」という季語が象徴性を持ちやすいということの例として、西東三鬼の『有名』な次の句を教えて下さいました。
昇降機しづかに雷の夜をのぼる 西東三鬼
この句が何故『有名』なのかというと、それは西東三鬼が戦前の新興俳句運動弾圧時に警察によって逮捕された時、担当の刑事が、例えばこの句のどこが問題かについて、<昇降機は共産党、雷の夜は今の時世>を表しているのではないかと言ったというのです。屁理屈は何にでもくっつくとは言え、これは余りにもひどい解釈としか言えません。当時の日本の言論弾圧の実態に慄然としたことでした。
さて、この日も参加者は20数名で、私も3句投句しましたが、ここには2句だけ掲載しました。そのうちの1句はダメな例として掲載しています。
遠雷や飛び込み震ふ蚊帳の中
夏-遠雷 この句は、紗希先生から並選を頂きました。遠雷と蚊帳が季重なりですが、この句の場合は両方とも必要な言葉であり、問題ないと判断して下さいました。それにしても、蚊帳という物自体を知らない人が増えているのではないかと心配でしたと言ったところ、紗希先生のご実家では蚊帳は無かったけれども、友人の家とかにはまだあったということでした。
他の方からは、<生活は豊かではなかったが、心は十分に豊かだった昭和のなつかしいころ>という感想も頂きました。
いかづちぞ降る 世の終はりかのやうに
夏-いかづち この句は、ガザの空爆の報道映像を見て作った句ですが、中東問題は調べれば調べるほど問題が錯綜し、分からなくなってしまいます。この句は、問題の把握が中途半端で、感傷に終わったダメな例としてアップしてあります。
次回の予定
オンライン「火星句会」 7月20日(火) 兼題「夏の月」祭り関連なら可
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