兼題「野遊び」 オンライン金星句会 2024/04/02(火) ― 2024年04月05日 15:57
「野遊び」という季語の持つイメイジとしては、春めいた野外での楽しいひと時と言った感じでしょうが、季語に余り囚われない私は、反対に不活発でいじいじしたものの方へ引き寄せられるのでした。
一日を野遊びもせず書も読まず
春━野遊び この句はお一人の方から特選を頂き、先生も入れて3人の方から並選を頂きました。ありのままの自分を詠んでみた、という句ですかね。
野遊びや道失ひし夕暮れ時
この句はお一人の方から並選を頂きました。<「道失ひし」がこの句を締めています。人生のある時に道に迷うことをさり気なく詠んだ句。「夕暮れ時」を「日暮れ時」、「夕間暮れ」など下五に。>というご批評も頂きました。確かに<日暮れ時>とした方がよいようです。ありがとうございました。
野遊びや野球やろうぜみんなして
下5をよく考えなさいということでした。
次回の予定
5月14日(火) 兼題「木苺」
兼題「桜貝」 オンライン金星句会 2024/02/07(水) ― 2024年02月12日 15:36
先月は先生のご都合で句会の日程が変更になり、私は参加出来ませんでした。今月も同じ日程の変更があったのですが、何とか参加できました。
引き波に桜貝一つ拾ひける
春-桜貝 この句は紗希先生から並選を頂きました。
桜貝いつか天女の忘れしか
春浅き野をや行かんと吾(あれ)と汝(なれ)
最近はどうも体調がよくありません。それはパーキンソン病のせいなのか、風邪の症状の一つなのか、それとも単なる春愁の類に過ぎないのか、自分のことながらはっきりしないのが嫌になります。それでも俳句に向き合うことによって、毎日の生活に一本筋が通るような気がします。
次回の予定
いつもとは違う企画をやるかもしれないということですが、とりあえず3月はお休みで、次回は4月2日(火) 兼題「野遊び」です。
兼題「冬近し」 オンライン金星句会 2023/11/07(火) ― 2023年11月11日 10:40
「ガザ保健省の発表では、8日までに子ども4324人を含む1万569人が死亡した。行方不明者は7日までに子ども1350人を含む約2450人としている。」(朝日新聞11月9日朝刊)水道、電気、燃料、食糧を止められたガザ地区は兵糧攻めにあっている訳ですが、日本の戦国時代、兵糧攻めは最も残酷なやり方であるとされていました。周囲を壁で囲んで勝手に移動できないようにしてあり、陸・海・空軍が思うように爆撃するのですから、これはもう虐殺としか言えません。ガザ市中心部に侵攻したイスラエル地上軍は、人質の解放よりもハマスの壊滅を優先させているようです。
リセットは出来ぬぞガザの虐殺は
この句は、お一人の方から並選を頂きました。 私達の人生において、リセット出来るものと言えばゲームやPC等がありますが、そんなにはありません。人生の一回性と言って、同じことは二度と起こりません。ところが、イスラエル軍は人生何度でもやり直しがきくとでも思っているのか、女性や子供たちでも平気で殺してゆくのです。殺したものは生き返らんのやで、分かってるんか~!?というのが句の趣旨です。無季の句ですが、この場合はそれでいいと紗希先生のお言葉。句の内容には100パーセント賛成しますが、詩的想像力が欲しいとも。
冬近し白富士遠くビルの間に
秋-冬近し この句は紗希先生も入れて2名の方から並選を頂きました。<情景の確かな描写力に惹かれます>とは、お一人の方のお言葉。紗希先生からは、(遠く)ではなく、(小さく)の方がよいとアドバイスを頂きました。
夜長かな作句する夜の独り言
秋-夜長 この句は「夜」-「夜」とあるのがいけないと言われました。私としてはよ-よとリズムを作っているつもりでしたが、どうもよくなかったようです。
次回の予定
12月12日(火) オンライン金星句会 兼題『鯛焼』
兼題「秋思」 オンライン金星句会 2023/10/10(火) ― 2023年10月13日 10:04
〇また戦争が始まってしまった。多くの人が殺される。こんな時に、滑稽な文芸の一つである俳句を詠むことにどれだけの意味があるか、と考える。結局は武力に優れている方が勝ち、夢も希望もねじ伏せられてしまう。しかし、人間に絶望してはならない。もうほとんど絶望しているとしても、何とか踏ん張って、人間の力を示したい。
私にとって、俳句とはそのようなものだ。
砂浜に腰下ろしける吾が秋思
秋-秋思 この句は、紗希先生から並選を頂きました。<砂浜>と言えば石川啄木の「一握の砂」がありますから、イメージがかぶさらないか心配しましたが、啄木と比べるまでもなかったようです。
墓裏の丘を登りて秋思せり
<以前、足元の墓を見下ろした時の句を詠もうとして上手くいかなかったのですが、こう詠めば良かったのかと、感激しました。特選と迷いましたが、「せり」が気になりました>
このように書いて下さった方からは、並選を頂きました。ただ、<「せり」が気になりました>というのが、私には何のことか分かりませんでしたが、紗希先生が仰るには、「登りて」と「せり」の動詞が二つあるのがよくないのだそうです。私としては、ケースバイケースで、その都度判断すればいいと思っていたのですが、どうやら一句の中に二つ以上動詞がある場合は、ほとんどチェックされるみたいでした。このあたり、私にはまだよくわかっていない事柄なのでした。
秋桜の揺れて振り向く君がいる
秋-秋桜 この句の場合は、動詞が三つありますがどうなんでしょうか。いずれにしても、甘すぎる句ではあります。
次回の予定
11月7日(火) オンライン金星句会 兼題『冬近し』
兼題「蟷螂」 オンライン金星句会 2023/09/12(火) ― 2023年09月17日 08:12
9月も12日だというのに、猛暑の日が続きます。電気代も高騰する昨今、クーラーの効いた部屋にいても、何となく落ち着きません。それでもネットの金星句会に集まった16人、神野紗希先生は変わらずに元気だし、だんだんと句会の渦に巻き込まれてゆくのでした。
蟷螂やメスオスを食ふ交尾して
蟷螂の遺伝子に住む悪魔かな
蟷螂よ少女の肩でうれしいか
<少女の肩にいる蟷螂が嬉しそうに見えたという作者の感覚が新鮮で愉快。既視感の無い蟷螂の句>
秋―蟷螂(とうろう) 3句目に、お一人の方から並選を頂きました。また、<>内のような批評も頂きました。ありがとうございます。
この3句は、一応連作俳句として作ったものです。連作俳句というのは、新興俳句の時代に、俳句の中に時間制を表現するとか言うことで盛んに作られたものらしいですが、この3句に限っては、その手法が十分に効果を発揮するには至らなかったもののようです。連作俳句にする意図や狙いも曖昧なままでした。しかも単独の句としては、弱い句になっています。
紗希先生からは、句が説明になってはいけないと注意されました。俳句が最短の詩であると言われる以上、もっと詩的な空間を作ってゆかねばならないのでしょう。しかし、世の中には散文詩と言うものもありますし、何が詩的であるかと言うと、少し難しい話になってしまいそうです。
次回の予定
10月10日(火) オンライン金星句会 兼題『秋思』
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