初春や2020年01月11日 15:34

○初春や三脚立てて母を撮る

 新年-初春 この句は、1年前の火星句会の兼題が「初富士」だった時、<初富士や・・以下同>で作って投句したのが最初の形です。その時の評判は決して悪くはなかったのですが、今年の年賀状にこの句を書いて送ることにした時、より一般的な<初春や>に変えたものです。

 私自身の実際の出来事としては、三脚を立てて母親を撮ったことはあるのですが、フィルム時代のことで、出来上がったものを見ると砂でもボディーに入っていたのか、真ん中に一筋ざっくりと傷がついていて、何とも残念な出来上がりでした。それ以後、何かの折に撮り直ししようと思いつつ、その機会がないまま、母親は亡くなってしまいました。この句には、そんな母親に対するお詫びの気持ちも込められているのです。ぐずぐずしていちゃだめだよと、自戒の一句なのでした。