兼題「炬燵」 NHKカルチャー 2019/12/12(木)2019年12月12日 19:44

 気が付くともう12月。あっという間に1年が終わろうとしています。季節の移り変わりが何かおかしいので、体というよりも心が置いてきぼりになった感じです。紗希先生のように子育て真っ盛りのママさんなどはどう感じているのか分かりませんが、私のような年金生活者は、気を付けないと孤立してしまいかねません。月に1、2度の句会は、その意味でも大切な集まりです。

 今日は新しい方が2人いらっしゃったので、紗希先生はある俳人の言葉を紹介されました。たしか、<俳句は止めるほどのものじゃない>とか仰ったと思いますが、たとえ思うように行かなくても、俳句は続けましょうね、というくらいの言葉のようです。

 この日の私の投句は次の3句。参加者は22名でした。

 

君と居る炬燵温しと思ひけり

ぽつねんとアルバム見入る炬燵かな

冬-炬燵 ②の句は紗希先生が並選で採って下さいました。句会ではすべての句をバラバラにして、一句ずつ鑑賞しますが、この二句は連作という訳ではありませんが、続けて読んで頂くことによって味わいが増すのではないかと思います。紗希先生も、<並べ方>というものはあると応じて下さいました。①の句は、形はいいが意外性が欲しいところ。また、②の句は「見入る」がやりすぎで、「ひらく」でいいのではないかということでした。

漱石忌あれは黒猫だったかい?

 冬-漱石忌 この句は、特選1名、並選で2名の方に採って頂きました。「漱石忌」の句を探しているが、この句が一番良かったと言って下さったのは特選の方でした。紗希先生は、「漱石忌」に「猫」とくると付き過ぎるので採らなかったということでした。「?」については、あってもなくてもどちらでもよいということでしたが、あると散文的になるので嫌う人もいるということです。

 

◎次回掲載予定 12月17日(火)火星句会 兼題「年忘れ」


兼題「年忘(としわすれ)」 火星句会 2019/12/17(火)2019年12月18日 15:28

兼題というのは、句会を開く前にあらかじめ出しておく題のことですが、今回は「年忘」。忘年会のことです。これは冬の季語ですが一寸変わっていて、12月にしか使えない季語なのだそうです。句会は基本的に当季詠ですが、さらに使用が限定される季語だそうです。

 この日の私の投句は次の3句。参加者28名。

 

一人きりの年忘れ酒買うて来た

 冬-年忘れ 一口に忘年会と言っても、時代によって色々。一昔前の、職場の大掛かりな忘年会はとっくに無くなっているのかな?今の若い人はお酒を余り飲まないとも聞きますが、どうなのでしょう?そんな若い人も、或は孤独なお年寄りも、今は一人酒が流行り?そんな風景を詠んでみましたが、「酒」ではなく、もっと具体的に「コップ酒」とか「ハイボール」とかにした方がよいと言われました。

年忘れいつもの顔が並びをり

冬-年忘れ これは何ということもない、ありふれた句です。職場恒例の年末風景です。殊更に奇をてらうことなく、ありふれた忘年会風景を詠んでみましたが、「顔」ではなく、具体的に「額」とかにした方がいいということでした。

白菜切る妻(さい)の手元の瑞々し

冬-白菜 お一人の方から並選を頂きました。「妻」を(さい)と読ませたのは、夏目漱石の小説によく出て来る読み方なので、そういう雰囲気で読んでもらえるかと期待したのですが、それよりも面白さが出てしまうので、普通に(つま)と読んだ方が良いのではないかと言われました。この句の季語は白菜(冬)なのですが、句の主題は妻の手元の瑞々しさにあります。白菜と妻の手元と、その対比、句の流れがどんなものか、そのあたりを聞いてみたかったのですが、うまく質問できませんでした。

 

◎次回掲載予定 1月21日(火)火星句会 兼題「風花」

 さて困った。風花を見たことがない。(苦笑)