兼題「薔薇」 火星句会 2022/05/17(火)2022年05月19日 07:52

今月の火星句会も、先月と同じく対面で行われました。来月も対面での句会を予定していますから、このままコロナに大きな変化がない限り対面での句会へ戻ったと考えていいようです。とはいえ、<投句><選句>をネット上で済ませて置き、当日は<合評>から始めるというやり方はもうすっかり定着しているようです。

さて、この日の兼題は「薔薇」。ということで、私は次の3句を投句しました。

 

蔓薔薇の咲き乱るるを父逝けり

 夏-蔓薔薇(3句共通) この句は紗希先生から並選を頂きました。

亡き父の植ゑし蔓薔薇風に揺る

満開の蔓薔薇きりて供へけり

この3句は父に対する追悼句であり、連作になっています。連作句ではありますが、一句一句が単独句としても鑑賞に堪えるように作ってあるつもりです。

父が亡くなったのは5月でしたが、庭のフェンスには蔓薔薇の赤い花が満開でした。その蔓薔薇は、私と父が苗を買い求めて一緒に植えたものでした。その時の記憶が鮮やかによみがえりました。そういう訳で、毎年の花の盛りに父を思い起こす、よすがになっている花なのです。

なお、第3句<供へけり>とあれば、<きりて>は要らないと紗希先生から指摘されました。ごもっとも。こういう初心者ボケはいつまで続くのでしょう。

ところで、今回最初に作ったのは次の句でした。

 蔓薔薇や父の死に目に間に合はず

入院している父が危ないのですぐに来てくれと電話があったのは、真夜中の事でした。急いで車を飛ばして駆けつけましたが、間に合いませんでした。その時の、申し訳ないという気持ちは、いまだに残っています。ただ、この句を改めて見た場合、いかにも散文的だと思ったのが、この句を採らなかった理由です。ただ、紗希先生の感想を聞いてみたかったとも思います。

次回の予定

6月21日(火) 対面予定   兼題「夏至」